フィッシャー・キングの感想

映画「フィッシャー・キング」を見た。
ビデオ屋さんでふと手に取った作品なんだけど、メタメタよかった。
監督は「未来世紀ブラジル」のテリー・ギリアム。
人は誰でも、自分の中に少なからず問題を抱えているもんだ。
自分の不完全さに悩み、少しでもその悩みから開放されたいと、もがく。
追っても追ってもそこに答えは無く、欠落した部分は不毛なままだ。
追うのに疲れ果て絶望したある時、欠落しているものを埋めてくれる人が隣にいることに気がつく。
しかしその人も、何かを追い求め、相手(自分)のことを必要としていたのだ。
自分自身では欠陥としかいいようのない部分が、相手にとっては一筋の光明になることもあるんだ。
でも、そんな必然的な相関関係をほとんどの人は気がついていない。
気づけばもっと人間て生きやすいのかもな〜
でも気づけないから、面白いのかもな〜
って、そんなふうに私は感じた。
映画中では、難アリの登場人物たちのその相関関係が幾重にもかさなって、
最悪の状況から相手を想い行動することによって自分も救われていき
すばらしいエンディングに繋がっていく。
深い大人のファンタジーだった。
1991年の映画。出会えてよかった!