和紙、オリガミコラボへの道1

11月の末に、和紙とオリガミとイラストでコラボする展覧会をすることに決まった。

そうなると、もう、職人さんのとこに行かずにいられないでしょう、、当然。とうことで!

今回、コラボ展で和紙を漉いてくださる、紙漉き職人さん、佐藤徹哉さんの仕事を拝見しに、足を運んだ。
そして、その時はまだ私は、和紙がこんなに手間ひまかけられて作られているものだということを知る由もなかったのでございます。
 
 
今回作っていただくのは、カレンダー用の和紙。
こういう贅沢な工程を経て作られてる紙ゆえに、載せるイラストも
それ相当のクオリティー求められるよな〜
大丈夫なんか、、自分。
とネガティブキャンペーン実施中な私に、
職人、佐藤氏はまっすぐな透き通る目で
「こっちに、原料となる木があるんですよ!」と
和紙が出来上がっていく工程を、さわやかに説明しはじめた。
 
 
これが楮(こうぞ)。
今回の和紙は楮(こうぞ)から作られる。
育つと高さが3メートルにもなるそうだ
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楮の世話をする段階から、節が多く出ないように
「脇芽かき」といって枝葉を剪定(せんてい)するのだそう。
そうする事によって精製段階で手間のかかり方が変ってくるらしい。
 
成長した楮の皮を包丁ではぎ取り
乾燥させたものがこちら
Kouzojpg_2
 
 
次ぎに、このまるで、しょうゆで煮含めたうどんのように見えるのもは
楮(こうぞ)だ。でっかい釜ゆで(ソーダ灰を入れる)にして柔らかくしてく。
身も心も、すっかり紙になる覚悟をこの釜の中ですり込まれているコウゾ、、、。
 
Kama
 
 
さ、ゆであがりはこちらにご用意してあります。、、。
うーん、かんぴょうみたい。
甘く煮付けて巻きずしの中に入っていても、わからまい。。(わかるね)
 
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こんな感じにユルユルと繊維がほどけてきましたね。
楮(コウゾ)ももう、すっかり紙になるための説得に落ちてますね。
 
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これはゴミ↓ 非常に根気のいる作業。。
この作業が一番時間が必要とされるそう。。
こういう面倒な作業をキッチリすることによって美しいキメの細かい和紙ができるのですね。。
 
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次は、ゴミを取ったものを柔らかくドロドロにして和紙の
原料にしていく作業が必要だ。
 
昔の人はじいちゃんとばあちゃんが向かいあって
このかんぴょう状のものをバシバシたたき合い
柔らかくしていたそう。。
仲が悪い時は、棒が反れたとか言って、ばあちゃんがじいちゃんの
頭をバスコーンとやっていたのに違いない。。
 
しかし、今の時代は、これ!
「ナギナタビーター」だ!
デカイ半円のオカモチのような中に薙刀(なぎなた)のような形をした
カクハンするための刃のようなものが並んでいて
ぐるぐると流水の中をながれてきたゆるゆるかんぴょうを
ワンシャカワンシャカと分解してゆく。。
 
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かんぴょうの流れるプールとでも申しましょうか。。
かくして気づくとかんぴょうはカクハンされて
ホロホロとユルユルのドロドロに。。。
 
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このようになりました〜
これが和紙の原料。キメ細かく繊維がほどけて見事に分解されている。
ナギナタビーターやってくれますね。
 
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いよいよ漉きに入ります。。ワクワクしますねー
 
このオフロみたいなヤツは「フネ」といわれている
この中で、水と原料を合わせます。
 
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この青いバケツに入っているものは、「ネリ」。
触った感じはネバネバというより、さらっとしたスライムのような感じかな。。
繊維をばらばらに分散して沈殿を遅らせて原料をイイ感じに持っていってくれるのだそうだ。
この「ネリ」の発見によって、和紙の加工は飛躍的にバリエーションが増えたのではないだろうか。。
 
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そして、水、原料、ネリを合わせてカクハン!
やはり、ネリを入れると液の感じがサラトロっと
した感じになった。
 
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さー、いよいよ、漉きだよ!
これが漉く道具だ。「桁(ケタ)」という。
 
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これは「簾(ス)」。
 
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桁の上に乗せて、この上に原料をうすく漉いていく。
 
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わー、漉いております、、。ここ、萌えますねー。
一すくい目で、紙の厚さが分るとか。。神。
 
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上を見上げると、漉く時イイ感じにまんべんなく桁の隅々まで
原料が行き渡るように、竹のシナリを利用している!工夫、古風、和風!
 
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で、出来ました!
和紙は一枚一枚漉いて、重ねていくんだね。
美しい。。この簾をはがしてく時の心地よい緊張感がたまりません。
 
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あの楮の木が、今やこのように和紙になりたくて生きてきた
かのように見事に“その気”になって重なっている。
 
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水分をある程度抜くまで一日置く
和紙、ミルフィーユ状態。
この状態を紙床(しと)と言います
美しいですな、、、紙床。
 
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このジャッキで圧(5,6トン)を掛けて、水分を絞り抜いていく。
 
Jyakki
 
 
 
ここまでが、和紙の出来上りまでの工程です。
 
さー、出来上りの紙はどんな風でしょう。。
 
次回は、和紙の出来上りと、和紙をカレンダーにしていくまでの
印刷会社さん(新潟活版所)との様子を御送りいたします。
 
活版印刷と、この和紙の絶妙な
マッチングを夢見て。。。(載せるイラスト忘れんな〜)