まこリョーシカ、まこけしの記録3

前回のこけしに続き、展覧会で制作したマトリョーシカについてのお話し。。
制作したものは全部で7種類、、全て完売いたしました。
購入して下さった方々、本当にありがとうございました。
展覧会のギャラリーの様子はこのような感じで
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とても明るいギャラリーで、本当にパリの路地にありそうなかわいらしいところだった。
ここでやらせていただいて、本当に満足している。
お隣さんが八百屋さんで、気さくなご主人は
マトリョーシカにちなんでりんごでマトリョーシカを創ってくださった!
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なんて、気さく&キュート!まず、これで私の心は相当癒されたのだった。
ちなみにリンゴに顔を描いたのはご主人です。(キッパリ)
さて、、
マトリョーシカのご紹介にもどることにして。。。
それでは、
マトリョーシカNo.1 サンタクロース
これは、オーソドックスなサンタのマトですね。頭のポンポンは白い毛玉をつけました。
ボディーの模様はスノーマークと雪景色を図案化して描いています。
日本でいう「笠じぞう」のように、情に厚い人たちである。
Santa1
マトリョーシカNo.2 レイバンサンタ
まさかこれは売れないだろう、、と思っていたので、売れた時は思わず、その方を二度見してしまった。
寡黙なレイバンのサングラスをかけたサンタは、トナカイを待たせてよくマールボロを吸っている。なぎら健壱の曲が好きでよく聴いている。
よい子に対しては、いたって紳士。
Sangurasanta
マトリョーシカNo.3 ミカンマト
この子たちは5人姉妹である。(お母さんもよくがんばった。)
この子たちは、ミカン農家の娘たちで、ミカンをとりあえず勧めてくる。
暖房が効いてて、咽が渇いたな。。。と感じた頃に
持ってきてくれるひんやり冷えた甘いミカンは、絶品だ。
次女はいつも自由を求めている。
小さな5女は頭の上にミカンを乗せている。
Mikan
マトリョーシカNo.4 おじマト
地味な新橋辺りを歩いてそうなサラリーマンのおじさんのマトをパカパカと開けて行くと、出てくるものは“夕日”だ。少年の頃、家に帰らずいつまでも仲間たちといて、基地を作って遊んでいたあの時代、あの時間帯。。時間は無限にあると思っていた。夕日から出来た長い影、大人になってからは見た記憶がない。真っ赤な夕日は、少年の心の象徴となっていつまでもおやじの心に住み続けている。
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マトリョーシカNo.5 おばマト
女はいつからおばさんになるのだろう。。「あたしんち」出てくるお母さんみたいなおばさんがヒトゴトだと大笑いしていたのもつかの間、出てくる出てくる己のおばさんエピソード。。
でも、いつも忘れていないものがある。それは、、“乙女心”。
小動物を見るとキュン、ハンカチの端に刺繍してある小花を見るとキュン、かわいい可憐なもの、キラキラと光るキレイなビジューを見ると乙女心はキュンキュンしっぱなしだ。
おばさんを、パカパカするとキラキラひかる乙女心が顔を覗かせる。
人によっては、おじさんマトで中身が乙女、おばさんマトで中身は夕日って人もいるけどね。
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マトリョーシカNo.6 クママト
このマトリョーシカは、クマの比率順になっている。
個体差があるから正確ではないけれど、まま、だいたいこんな風になっている。
左から、北極熊、ヒグマ(カナダのグリズリー)、パンダ、人間の子供(小3くらい)、マレー熊。
そう考えると、北極熊っておっきいねー。
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マトリョーシカNo.7 ジキハイマト
ジキハイとは、、ジキルとハイドのことである。
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ジキルとハイドほど極端でないにせよ、どんな人間にも、内なる自分と、対外的自分を持っていて、常に2面性を無意識に行ったり来たりして世の中と関わっている。
タマネギの皮のように幾重にも違う自分が重なっていて、その複合的な自分の要素で成り立っているのだ。ある側面から見ると、やさしさ全開でも、違う側面から見ると冷酷だったりもする。
私はその2面性が、ある時は意外性となって、ある時は“味”となって面白く作用して来るように思う。
このマトの右端の最終形はこの写真では白い花(善)になってるけど、裏はピストル(悪)が描いてある。
Mato1c
最終的にどちらが出てくるかを決めるのは自分だ。
でも、それを決める自分の核も本質など無くまた二面に分れてる。
だから人は変われる余地があるのかな、、と思うのです。
以上、7種類のマコリョーシカの説明でした!
ありがとう!!マコリョーシカたちよ。
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まこけしについての解説はこちら
作品の購入はこちらhttp://qunt.jp/へ!


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まこリョーシカ、まこけしの記録2

 先日、無事「マコリョーシカ・まこけし展」終了し、大満足の余韻に浸っている。。。
この心持ちが冷めないうちに、生み出したモノたちのご紹介をしておかねば、、
今回、7種のマトリョーシカ。18種のこけしを作った。
マトリョーシカに関しては、ありがたいことに全て完売させていただいた!
こけし、どの娘も魅力的で、ホント秋元康的感覚で展覧会期間中見守っていた。
素朴なほっこりした表情の下に隠された意外な彼女たちの真実を解き明かしていこう。
では、順にご紹介。。
こけしNo.1 ノルディック  この人は日系ノルウェー人。日本人の母と、
              ノルウェー人の父を持っているハー フである。
              ノルディック柄が好き。気質は穏やかで実直。
              好きな本は村上春樹の「1Q84」。 
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こけしNo.2 彩乃      和刺繍をこよなく愛する。部屋の机は文机。
              座る座布団はもちろん自作の和刺繍が施して
              ある。得意な料理は、お赤飯とイワシの梅干
              し煮。おとなしいが、言う時は言う。(何を?)
Photo_3
   
こけしNo.3 ハンナ     デンマーク人。毎週ある教会のお茶会を楽
              しみにしている。ハンナの焼くバタークッキ
              ーは格別だ。けっこう下半身がしっかりして
              いるのを気にしている。子供たちはハンナが
              大好きだ。ハンナは一時期神に仕えること
              を考えたが、子供たちが好きで、神からの愛
              は子供に接することで奉仕できると今では考
              えている。
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こけしNo.4 ジェシカ    ロシア系のアメリカ人。20年代のファッシ
              ョンを好む。人は、アンティークすぎるとい
              うけれどそんなことは気にしちゃいない。
              けっこう大ざっぱで気前がよく、ウォッカを
              飲むと日本の新潟のロシア村でバイトしてい
              た時に覚えた「百万本のバラの花」を歌って
              しまう。
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こけしNo.5 ケイト     こう見えて実は日本人。髪は染めてカラコン
入れてる。バイトは吉祥寺のレンタルビデオ
屋に勤めている。タランティーノの映画は全
て観た。
大人計画の松尾スズキを尊敬している。映画
を作るのが夢。「人生一度きり、やりたいこ
とやらなきゃ嘘」が口癖。
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こけしNo.6 スーザン    日本人。ケイトの妹。図書館の司書をしてい
る。近くの理系の大学の男子にけっこうモテ
る。破天荒な姉を温かく見守る叶美香的な性
格。好きなもの、、よっちゃんイカ。
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こけしNo.7 華      日本人。趣味は陶芸のおちょこ収集。回転寿
司のことをくるくる寿司と言った伊万里焼の
窯元で出会った親切な背の高い陶芸家の見習
いの若者のことが未だに忘れられない。
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こけしNo.8 冬の恋人   白い恋人のパクりか!的な所で話題になるか
と思ったけど、なるはずもあるまい。。四季
シリーズの一体。冬バージョン。こけし職人
泣かせの、まるいお団子があたまに乗っかっ
ている木地タイプ。2体制作して、すぐにお
嫁に行きました。人気あった。
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こけしNo.9 暁子      四季シリーズの一体。秋バージョン。こちら
も素敵な女性が素敵な女性に贈るために買っ
ていかれました。。。喜んでくれるといいな。           
暁子は、いつも昭和初期の詩を読んでいる。
林芙美子の「蒼馬を見たり」を読んでいる。
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こけしNo.10  夏子    四季シリーズの一体。夏バージョン。萌え
ろ、ナツコ!やで。。沖縄出身。「なんく
るないさー」が口癖
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こけしNo.11  晴枝    四季シリーズの一体。春バージョン。晴枝
制作にあたっては、春らしい色でまとめて
みました。希望に沸く春の一日の始まりを、
玄関の下駄箱入れの上から、やさしく送り
出してくれる。。そんなイメージで制作。
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こけしNo.12 ビッキー   インドネシア人。仕事はスーベニーアショ
ップで働いているが、夜になるとクラブに
繰り出し、ファンキーコタミュージックで
踊りまくる。気質はいたって朗らか。この
こけしを置いておくと、暗い悩みが逃げて
いくらしい。
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こけしNo.13 律子     律子は三人姉妹の長女だ。いつも、奔放な
次女や、ぼんやりした三女のために奔走し
ている。でも、彼女の中には熱い血が流れ
ているのを、周りの人は気づいていない。
お酒をのんで、ほんのり色がさした彼女が
いたずらっぽく笑うのが、椿のごとく美し
いのをカウンターの中から板前の良介は見
逃さなかった。
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こけしNo.14 雪江     雪江は男である。昼間は全くそんなこと微
塵も見せないほど寡黙な男に徹している。
♪彼は夜更け過ぎに雪江と変るだろう。。
ということで、金曜の夜は一杯の質の良い
シングルモルトと赤いスリップドレスが彼
を癒してくれる。エディット・ピアフを心
から尊敬している。
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こけしNo.15 ナンシー  日頃は、総合病院に勤めるナースである。
仕事は真面目にこなし、口数も少ない。
402号室の高山さん(78才 元弁護士
             糖尿病患者)は頑固者で嫌われているが、
             ナンシーにだ けは心を許している。パン
             クバンドのドラム担当。ジョー・ストラ
             マーは彼女の心の核になっている。  
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こけしNo.16 シンディー 夜は、のんべえ横町の店番のバイト、昼は
アパレルの企画会社でバイトしながらエッ
ジの効いたハードコアなファッションデザ
イナーを目指している。
先日、裏原にレディー・ガガが来てお買い
上げになったのも彼女の作った服。
かわいい顔とはウラハラにカラオケでは梶
芽衣子「怨み節」が定番。
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こけしNo.17 レッドヘッド 明るくカラフルpopなパラレルワールド
              に住む住人。災いから身を守るポジティ
              ブな魔法をかけてくれる妖精でもある。
              人間界へしおたまこを通して送り込まれ
              てきた。
Redhed2
こけしNo.18 祈り    震災による東北、日本へ祈りを込めて。。
             全てを無くしどん底に叩き落とされた時
             そこから立ち上がろうとする人の姿に生き
             る本質を感じる。
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この中の、こけしNo.4,8,9,13,18に関しては完売してしまいまいました。
その他のこけしに関しては、qunt にて販売しております。 (3月末までの期間限定)
次回は、マトリョーシカの解説しまーす!


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マコリョーシカ・まこけしへの道

やっと、展覧会への準備が整い、開催を待つばかりとなった
「マコリョーシカ・まこけし展」だが、
ここまでの経緯を、レポートしておこうと思うよ。
忘れられない、出会いにもなったのでー
マトリョーシカは前記の通り、木地人形をネットで購入できるもなんだけど
こけしはそんなにお手軽にいろんな種類が手に入らない。。
そこで、こけしの木地人形を扱っている業者さんをいろいろ調べてみた。。
で、行き着いたのが「木地処さとう」さんだった。
コンタクトをとって、オリジナルのこけしを制作してくれるかお聞きした所、
快く引き受けて下さった。
これは行かねばなるまいて〜ということで、ずうずうしくも私、訪ねて行ったのであった。
私、職人好きなもので、職人の話聞いたり仕事観たりするのが好きなん。。
住所を見ると、なんと3月にあった東日本大震災の影響をモロに被った、いわき市だった!
よくよくみれば、一時避難して群馬県の渋川市に一時避難されているとのこと、、
こんな時にお頼みしていいものか、、とも思ったが、制作無しにして復興はあるまいと思い直し
依頼させていただくことにしたのだ。。
木地処さとうさんは、一家でこけしの職人さんだ。
迎えて下さったのは、お父様、お母様、ご長男さん。
遠方からよくいらっしゃいましたと、温かく迎え入れて下さった。
一時避難とはいえ、暖かくしっかりと生活の基盤を整えられ、思わず被災されているのを忘れてしまうほど。。
私、なんだか随分自分をあけっぴろげて話してしまった。
さとう家の皆さんも自分のこと(自分史)楽しく気さくに話して聞かせてくださった。
若い頃の船乗りのお話しがカッコイイ冷静なお父さん、若くしてお嫁にきて、お姑さんが教科書で、今でも大きな存在と語るあなたが素敵すぎますお母さん、
そして、いろんなとこを転々としてきたが
今のためにそれがあると思わせられる長男 英之さん。。
そして、震災のお話、、。私には簡単に想像もつかない話だった。
でも、いろいろとお話をさせていただいたけど、なんでだろう。。このご家族には
微塵も悲壮感がないのだ。
すごい大変な思いされているのに、笑顔が泣きそうに優しいのだ。
私の方が、すごい大きな力をいただいた。
多分それは、家族の力だ。
なんか、もう、最後のほうは下條アトムの語りが背後から聞こえてきて
“ウルルン滞在記”みたいな気持ちになっていた。
って、ぜんぜんルポじゃないじゃーん、、
ちゃんと写真とったんだからそれ見せないとー
ということで、
(以下、アンパンマンの声で)
職場の旋盤だよ。高速回転刷る木に
ノミをあてて、削り出していく機械なんだよー。
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蚤はこんなに種類があるよー!
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最初は八角すいに整形した木でつくって行くんだね〜
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これは、こけし制作用木材“ミズキ”。
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群馬県一帯に生息しているのだそう。。今、避難している場所は、そういう意味では
乾燥で木もひびわれないし、こけしの制作には非常に適した場所なのだそう。
制作に天候や地の利は大きく作用するんだね。
さてここでハタと気がついたんだけど、
私、佐藤さんたちとお写真を取らせていただくの忘れてた〜〜
残念!!これじゃルポライター失格だ(いつからルポライターに、、、)
最後に、誠孝さん(父)の描いたこけしの絵を。。
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いいね〜〜。温かいー、、お人柄出てます。
さすが、船乗りの時コックさんが、誠孝さんのためにだけにクッキーとか
焼いて食べさせたくなったのわかります。
帰りの車運転しながら、イイ出会いあってよかったな。。って思った。
あのご家族がよい方向に向かって下さるように祈った。
そのためには、作っていただいた木地人形でイイ作品作ることなんじゃないかと、、、
そう思った。
しばらくして、完成した木地人形が送られてきた。。!
う、美しい!
そして、木地人形と一緒に、一枚の“モミジの押し葉”が添えられてあったのでした。。
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 「まこリョーシカとまこけし展」
【期日】12月9日(金)〜14日(水) 12:00〜19:00
【場所】gallery cadocco ギャラリーカドッコ


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