広告のお菓子入れ

近所のばあちゃんたちは、頻繁にお茶をし合う。
ウチの両親が暮らしている母屋の方に行ってみると
誰かしらが来ていて、老人たちの“純喫茶”になっている。
わぉ〜と言いながら、私もたまに仲間に入れてもらう。
大抵が昔話を繰り返して話していたり、しわの寄った手で
広告を正方形に切り、頭をくっつけ合って
ふぉっふぉと笑い合い小さなお菓子入れを折り紙で作っている。
かわいらしい。
私は、こんな様子を眺めているのがけっこう好きだ。
たまに、しばらくいると「この嫁はいつまでここにいるのだろう?」
と、不思議な顔で観察してくるばあちゃんもいれば、
するりと私の心に入ってきて、すっかりうち解けて
胸のうちを語り始めるばあちゃんもいる。
大抵のばあちゃんは耳が遠いので、コミュニケーションとるのに
時間がかかる。
そんな時は、お互い気遣い過ぎて、こんなに近くにいるのに1キロくらい離れた場所にいるかのように感じられることもある。
でも最近わかったんだ。
もう聞こえてても聞こえてなくてもめんどくせー
お互い勝手にしようぜ、、という態度になったとたん、
1キロ先にいたばあちゃんは、ひゅーーーんと私の鼻先に戻ってきた。
大抵、うち解けると、ばあちゃんたちはすぐに安心して昔の話を始める。
戦後の苦労ばなしだ。
私は、まったくイヤでなくこの話を聞く。
(たまに方言がキツくて「うぉ〜」「あぅ〜?」とか言いながらスルーしてることもあるけど)
話しながら彼女らは、当時のことを思い出すのか
熱くなって鼻を膨らませたり、さらさらとしたようなさっぱりした表情をしたりする時があり、そんな時は一瞬にして近所のばあちゃんから
息遣いの感じられそうな一人の若い女がよみがえってくる。
75歳から85歳あたりのばあちゃん。
ウチらが「新人類」とカテゴライズされたように、もしその当時の
時代背景を取り込んだ世代の呼び名があったとしたら
なんて呼ばれてたのかな。。
少女時代に折り紙で遊んで以来、自由に羽を広げられる時代ではなかったはずだ。
とにかく、その辺りの年代のばあちゃんには追いつけない何かがある。
壮絶な時代に青春を生き抜いた女の深みがある。。
ばあちゃんたちが作った広告のお菓子入れは、いとおしいものだ。


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“ずっと夢みさせてくれてありがとう”ございました

清志郎がいってしまって、なんだかここのところ
そろそろ、人生の折り返し地点か。。
なんてことを考えさせられてしまう。
中学、高校の時どこかしらでいつもかかっていた清志郎の曲。
旦那と友人の結婚の祝いに歌った歌はザ・タイマーズの
デイ・ドリーム・ビリーバー」
だったなぁ。。。
今聴くと、この曲しみるなぁ〜〜
別にすごいファンじゃなかったけど、
アラフォーの人は、清志郎に対しては
なにかしらのある思いは持ってるんじゃないかな。
当たり前にあるものが、ふいとなくなるのを実感した。
これからこの感じ増えていくんだろうな。。
なんか、暗くなっちゃったけど。
当たり前にあるものランキング1位は、「親」だった。
でも、だんだん親も歳をとる。
久しぶりに電話してみた。
「皆、元気?調子はどう?」
「こっちは、元気にやってるから、心配するな」
岡山の山村に年寄りだけで暮らしており。。。
人工透析25年の父の健気な言葉に、深い思いやりを感じる。
夏は少し長く時間を取って、寄りそう時間を作ろうと思う。


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